各オフィスのお電話番号一覧

特集コラム

相続 トラブル

相続対策を正しく進めてトラブルを回避!基本的なとらえ方と対応策

相続対策を正しく進めてトラブルを回避!基本的なとらえ方と対応策
自分が亡くなってしまったときに備えて相続対策を事前に行っておくことは、相続を巡るさまざまなトラブルを回避するために有効な手段です。相続対策は相続税などの税金面での対策に留まらず、もっと広い視点で捉える必要があります。今回は、相続トラブル対策・相続税対策・納税資金の確保といった視点で解説します。

相続対策における基本的なとらえ方

相続対策における基本的なとらえ方
相続対策を適切な形で進めるには、相続トラブル対策・相続税対策・納税資金の確保の3つが大切になります。相続人同士が争わないために、どのような点が問題となりやすいかを押さえておくことが重要です。相続対策を行っておくかどうかで、相続税の納税額にも影響を与えるので、事前の対策が欠かせません。ここでは、相続対策の基本について解説します。

相続人同士が争わないための対策

相続対策の基本は、亡くなった後に相続人同士が遺産を巡って揉めてしまうことを防ぐために、あらかじめ必要な対策を立てることです。誰に・何を相続させるかといった点だけでなく、相続税の負担を軽減させるために財産を処分したり、納税資金を確保したりすることも相続対策に含まれます。

裁判所が公表している司法統計によれば、遺産分割を巡る相続に関するトラブルは増加傾向にあり、必要な対策をとっていなければ、どの家庭でも起こり得るものと言えるでしょう。相続人同士が争う事態となれば、解決までに何年もかかってしまうケースも珍しくないので、元気なうちから取り組んでおくことが重要です。

相続税対策の有無で納税額は大きく異なる

生前の相続対策が、相続人が遺産を引き継いだときに支払う納税額に影響を与えます。不動産や預貯金など、財産が多ければ多いほど、相続対策の有無によって納税額が違ってくるものです。

また、財産を遺す際に、現金で遺すのか生命保険として遺すのかによっても税金は変わってきます。一方、遺産を不動産で残した場合は売却までに時間がかかり、相続人が多数いる場合には意見がなかなかまとまらずに処分ができないといった事態が起こりやすい傾向にあります。

生前からきちんと計画を立て、相続人が多額の税金で悩まないように配慮したいところです。相続にかかわる税金は複雑な面もあるので、あらかじめ税理士などの専門家に相談するとよいでしょう。

納税資金を確保しておくことの重要性

相続税を納める資金が確保できていない場合は、延滞税や財産の差押えなどの懸念も生じます。遺産が大きなものであるほど、延滞金なども大きなものになるので、納税資金確保のために自宅不動産などを処分しなければならない事態も起こりえます。

納税は現金で行うのが基本であるため、評価額の高い不動産があると、納税額のことで、頭を抱えてしまいやすいものです。そのような場合は、生命保険の活用や生前贈与を行うなどして、あらかじめ納税資金を現金として遺せるように準備しておくことが大切です。

相続トラブルを避けるための対策

相続トラブルを避けるための対策
相続について考えるとき、相続人同士がトラブルで揉めないか心配してしまうのも無理はありません。しかし、揉めやすいポイントをあらかじめ整理して対策を講じておけば、トラブルを未然に防ぐことができます。ここでは遺言書の作成や相続人の範囲の把握などについて解説します。

遺言書をきちんと作成しておく

相続に関するトラブルは、相続人同士の不公平感から発生しやすいものです。遺産分割協議がまとまらなければ、金融機関の手続きや相続登記が進まずに、相続手続きそのものが滞ってしまいます。

遺産について誰に、どのように分けたいかといった意向は、遺言書を作成することできちんと意思を示しておきましょう。民法に則った形式で自筆証書遺言や公正証書遺言などを作成しておくことで、相続人同士が争うことをある程度防ぐことができます。

遺言書の保管については、公正証書遺言は原本を公証役場が預かるので紛失・改ざんの恐れはありません。自筆証書遺言の場合も、自宅保管ではなく法務局に預ける遺言書保管制度を利用すれば安心できるでしょう。遺言書作成の際は、相続人の遺留分に配慮が必要です。

遺留分は相続人が最低限確保できる相続分ですので、きちんと配慮をしないと、かえって相続人同士のトラブルを招いてしまう要因となります。専門家などのアドバイスを基に、相続人が納得できる形で遺言書を作成しましょう。

相続人の範囲・相続財産管理人

相続トラブルを回避するためには、誰が自分の相続人となるのかを把握しておく必要があります。法律の規定では、まず配偶者は最優先で相続人となります。

次に、子ども・親・兄弟姉妹の順番で相続される点を押さえておきましょう。相続人は、配偶者と子ども、子どもがいない場合は配偶者と親、子どもも親もいなければ配偶者と兄弟姉妹となり、配偶者・子ども・親・兄弟が一度に相続人となるわけではありません。相続人がいない場合には死後に相続財産管理人が選ばれて、最終的に遺産は国庫に帰属することになります。

相続人の有無にかかわらず、生前に遺言書を作成しておけば、遺産を渡したい人を指定できるので相続人以外の人に遺産を残したい場合や、お世話になった団体に遺贈したい場合は活用しましょう。

相続放棄・限定承認の手続き

遺産として遺す財産はプラスとなるものばかりでなく、マイナスのもの(借金や保証債務など)もあります。借金がある場合には、生前に債務整理をして問題を解決しておくことが望ましいです。

ただし、相続人が相続放棄の手続きを行えば、相続放棄の場合であれば相続人となること自体を放棄できますし、限定承認を行えばプラスマイナス差し引いてプラスの範囲でだけ財産を相続することができます。相続放棄や限定承認の手続きは、相続開始後3ヵ月以内に行う必要があるため、マイナスの財産がある場合は、被相続人となる人は相続人にマイナスの財産がある旨を事前に伝えておきましょう。

注意すべき点は、相続放棄を行うと相続する順位が変動し、後の順位の相続人が繰り上がって相続人になるため、迷惑がかかってしまう恐れがあることです。相続放棄を行う人があらかじめ関係者に話を通しておくことが大切です。

相続税の負担を軽減させるための対策

相続税の負担を軽減させるための対策
相続する財産が多い場合には、相続税の負担を軽減させるために有効な対策がいくつかあります。生命保険の活用・居住用財産贈与の配偶者控除・小規模宅地特例の利用・子や孫への贈与・ジュニアNISAなどです。それぞれの対策についてポイントを解説します。

生命保険をうまく活用しよう

生命保険の死亡保険金は、一定額の相続税控除が認められています。具体的には、受け取った死亡保険金から「500万円×法定相続人の数」の金額を差し引くことができるので、相続対策として有効な手段となります。

預貯金であれば全額が課税対象となるため、保険金の形で遺すほうが相続人にとってプラスとなるはずです。また、相続発生時は何かとお金が必要になりやすく、相続人が納税資金などに困らないように、すぐに現金を得やすい仕組みを整えておくことが大切です。

不動産だと現金化するまでに時間がかかることが多いですが、死亡保険金は比較的早く受け取れるので、相続人の負担を軽減できます。

居住用財産贈与の配偶者控除

配偶者がいる場合には、自分の死後にきちんと生活が成り立っていくように対策を立てておく必要があります。居住用財産贈与の配偶者控除が認められているので、自宅や増改築のための費用を生前贈与できます。

最大で2,000万円までの贈与分が控除対象となるので、相続対策として有効な手段です。婚姻期間が20年以上の夫婦が対象となります。また、2020年4月1日より、残された配偶者が被相続人の死亡時に住んでいた建物を亡くなるまで又は一定の期間、無償で使用することができる配偶者居住権が施行されました。こちらは、自然発生する権利ではなく相続発生時に主張しなければなりませんので、遺言書に書いておくことをお勧めします。

小規模宅地の特例を利用する

小規模宅地の特例とは、宅地を相続するときに、一定の面積までの評価額を20%もしくは50%まで減額してもらえる制度のことを指します。控除率が高めに設定されているので、相続対策の1つとして検討してみるのも有効です。

自宅や賃貸借以外の事業に利用していた場合は20%の減額、アパートなどの賃貸業に利用していた場合には50%の減額となります。不動産を中心として相続対策を考えるときに、有効な手段となり得る仕組みです。

子や孫への贈与

子どもや孫がいる場合は、マイホームの購入資金として贈与する方法があります。省エネ対策を施した住宅であれば1,200万円まで、それ以外の住宅であれば700万円までの贈与が認められています。

また、結婚資金や子育て資金、教育資金として贈与するのも有効です。結婚資金については300万円までですが、それ以外のものは最大で1,000万円までが非課税となるので、生前贈与のメリットが大きいはずです。
ただ、子どもや孫が複数いる場合には、不公平感が出ないように配慮が必要です。全員に対して一律の金額を贈与するなど、ご家庭の状況に合わせて柔軟に検討してみましょう。

未成年の子どもならジュニアNISA

未成年の子どもがいるご家庭であれば、ジュニアNISAを活用してみるのも1つの方法です。ジュニアNISAは未成年の子どもがいれば開設でき、株式の売却益や配当金などが非課税となります。

非課税投資枠は年間80万円まで、非課税期間は最長5年間と決められているものの、子どもや孫がたくさんいる場合には特に効果を発揮します。ジュニアNISAの口座を開設して贈与をすることで、子どもや孫の将来のための資金として活用できます。

納税資金を確保するための準備

納税資金を確保するための準備
相続人が納税資金のことで頭を悩ませないための対策としてできることを押さえておきましょう。きちんとした対策を立てるためには、相続税の仕組みや課税されるタイミングについて把握しておくことが重要です。気をつけるべきポイントもあるので、どのような点を意識すべきかを解説します。

死亡保険金・死亡退職金の活用

相続した財産が課税対象となる場合、期日までに決められた税金を納める必要があります。まとまった金額を一度に納付しなければならないため、相続財産の金額によっては納税資金の確保の対策が必要になります。

相続人が納税資金の確保で困らないよう、生命保険を活用してみるのも1つの方法です。相続人を死亡保険金の受取人にしておくことで、相続発生時に現金を確保しやすくなります。
また、経営者や会社員であれば、在職中に死亡した場合には死亡退職金が支払われます。遺族の生活保障という目的で設定されているものであり、生命保険と同じように「500万円×法定相続人の数」まで控除が認められています。

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度とは、最大で2,500万円までを贈与税の負担なく贈与を受け取ることができる仕組みのことであり、贈与した人が亡くなった際に相続税として一括で納付する仕組みのことです。税額を算出した結果、納めるべき相続税がない場合でも、さかのぼって贈与税が発生しません。

2,500万円を超える贈与を行ったときには20%の贈与税が発生するものの、相続税を算出する際に贈与税としてすでに支払ったものは控除されます。また、贈与者ごとに活用できる制度であるため、たとえば両親が子どもに対してそれぞれ贈与を行うならば、最大で5,000万円まで贈与税が発生しない仕組みとなっています。
ただし、年間110万円までの贈与税が非課税となる暦年贈与の制度とは併用できないので注意しておきましょう。

延納や物納は不利に働くこともある

相続税は原則として現金で納める必要があるため、被相続人の財産が不動産や株式ばかりであれば、多額の相続税が発生したときに対応できなくなる恐れがあります。延納は最長20年までの分割払いが認められてはいますが、延長する期間が長ければ長いほど利息の負担も重くなります。

また、物納は現金ではなく相続した不動産などで納税を行う方法ですが、相続税評価額で算定されるので時価よりも安くなってしまうので注意しましょう。時価の7~8割程度の金額となることが多いです。
相続税を納付するまでの期間は、相続発生から10ヵ月なので事前に相続対策を行っておき、納税資金を確保しておくほうが無難です。相続財産に相続税がかかると見込まれる場合には、現金で納税できる段取りを整えておきましょう。

まとめ

相続対策を生前に行っておくことで、相続人同士が争ってしまうことを防ぎ、安心して老後の生活を過ごしていけます。相続対策は不動産や保険など多岐にわたるため、相続対策専門士などに相談をすることが大切です。コスモでは相続対策における豊富な経験やノウハウを持った専門家が多数在籍しています。法律面からのアドバイスだけでなく、ご家庭の状況に合わせたきめ細かなサポートを重視しています。相続対策でお悩みのときには、コスモにご相談ください。